謹 賀 新 年

 大晦日とはうってかわった暖かな元日でした。布団もよく膨らみました。洗濯物も乾きました。災害のない・穏やかな天候の一年となると良いのですが、無理な願いでしょうか…。

 2004年の大きな体験は、教室を出て、市民を相手に講義をしたことでした。
 学習会の主催は、環境や子ども・老人問題を中心に活動し、県議会議員1名、市議会議員2名を擁する団体で、6回シリーズ。あと、1月、2月分が残っています。
 毎回、大学での講義と同じことを話して来ましたが、「聞きたい」と思って参加される方ばかりなので、熱心に聞いてくれます。戦中・戦後の実体験を聞かせてもらったり、幼子への読み聞かせの極意を聞いたり、充実した時間です。
 第4回では、改憲を支持する・良心的な方が参加され、議論になりました。そして、改憲の焦点は、「戦争のできる普通の国家」にするかどうかであることがハッキリしました。

 教員養成学部の学生を相手に、こう話しました。
 改憲を推進する勢力は、いかなる政府の命令であっても命を投げ出す国民をつくろうとしている。「国に命を捧げる」という名目で。そのための「愛国心」教育である。そして、その中心をになうのは、将来教員となる君たちである。
 戦前の歴史を学び、兵士の養成に学校教育が果たした役割を垣間見た君たちは、「わたしたちは知らなかった、国にだまされた」と言い訳することはできないだろう。教員になる以上、このことは自覚してほしい。
 では、いまどうするか。
 改憲反対の運動に走れば、教員採用では不利になる。君たちは、君たちの置かれている状況をよく認識してほしい、と。
 年明けのレポートで、どんな反応が返ってくるか、楽しみです。

 わが家の次男に話したら、「それって、脅迫じゃないの」と言われました。しかし、いまの日本はそういう状況にあると思うのです。
 政界の勢力図がそうでしょう。マス・メディアの報道姿勢がそうでしょう。警察の捜査姿勢がそうでしょう。そして国民の無関心です。年末の千葉市の県議補選なんか、投票率26%ですよ。
 他方、「9条の会」の講演会には、各地で2千、3千、4千の「聴衆が集まっています。この・いまの日本の「声なき声」を束ねることができれば、まだ改憲勢力に対抗できるのではないかとの期待も持てるのではないかと思えます。

 だからわたしは、考えました。
 息子や孫たちをはじめとする若者たちが意に反する軍事訓練(=人殺し訓練)をさせられないようにするために、アメリカのための戦争に駆り出されないために、教員に愛国心教育(=政府無批判受容教育)をさせないために、日本を「戦争のできる普通の国」にしてはならない、と。
 そしてそれが、結局は、憲法の理念を実現し、人々の真の自由を保障することになるのです。護憲運動に参加したために、教員採用で不利になる。そんな現状を打破できると思うのです。

 また、わたしは「憲法を守る市民連絡会」にも参加しました。
 地元の労働組合協議会(地区労)が音頭をとり、市民団体や個人が憲法擁護のために党派を超えて、組織・未組織の枠を超えて、集まりました。この会において、わたしになにができるのか、それを追及して行きたいと思います。
 この会においても、当面は学習会のような地道な活動が中心になると考えていますが、そのような催しに、若者を如何に集めるか、そこが課題だと思います。

 みなさん、本年もどうぞよろしく。そしていろいろとお知恵とお力をお貸しください。

 2005年1月1日 Quappa